相棒二作目。
心臓移植により新たな人生を歩み始めた女性と、虚構のカリスマを演じ続けることに悩むバンドマンとの切ない物語。
『相棒』には珍しく青春路線だったからか、放送当時は割と賛否両論だった。しかし近年になって再放送等により評価が高まっているように思う。個人的にもお気に入り。
「ドナーの事情を知ってしまい葛藤する少女」「この心臓の鼓動は愛なのか、それとも殺意なのか」というのがそもそものモチーフであり、それを表現するためには音楽がどうしても必要だった。
そのためだけにわざわざキーボードを買い、劇中曲「この胸の高鳴りを」を作った。作詞だけならともかく、ここまでやる脚本家もそうそういないだろう(笑)。
曲はもちろんプロの手が入っているが、サビの部分はほぼ原曲通りである。
「あんなにあっさりブログなんかで移植情報を漏らすはずがない」との批判もあったが、ツイッター等による悪意なき漏洩は近年ますます顕著であり、そこは先見の明だったと言っておきたい。
実際にギターをたしなむ六角さんの演奏シーンは極めてレア。
前田亜季さん松田悟志さんとは二度目の仕事だったが見事に忘れられていた(涙)。
ライターなどそんなものである。
ゲスト:前田亜季、松田悟志、猪野学ほか
脚本:入江信吾 演出:森本浩史