2006年5月の日記を掲載。役者名等の表記は当時のままにしています。
5月11日、都内某所。
相変わらず挙動不審で会場に入ると、既にキャストもスタッフも勢揃い。
レギュラーの女性陣が集まっているフロア奥は、もはや別世界の華やかさ。
顔、小っちゃ! 脚、ほそっ!
この薄汚い僕には近寄ることすら出来ませぬ。
別のテーブルには脚本家の岡崎由紀子さんが。
次回第七話「船上の目撃者」を執筆されています。
やはり「新番組のサブライターは大変だった」と仰っていました。
前話の僕のホンが遅いせいで、なおさら大変だったと思います。すみません。
さらに第八話「Gペンの殺意」を執筆された古沢良太さんも。
『相棒』に引き続き、何かとご縁のある(と勝手に僕は思っている)方です。
そういえば『ALWAYS 三丁目の夕日』DVDが発売されますね。
買おうかな。
……くれないかな、なんて目で可愛く訴えてみましたが、ダメでした(笑)。
ちなみにメインライター深沢正樹さんはご欠席。
こういう華やかな場は苦手だとのこと。是非お会いしたかったのですが、残念です。
しばしの歓談の後、恒例の大抽選会。
今回は『クイズ タイムショック』の賞金2000万円がありますからね、
1クールドラマでは有り得ないくらいの豪華商品が目白押し。
生来くじ運が悪く、当たるとすれば交通事故ばかりという薄幸な僕ですら商品をゲットしましたよ。
「仙台牛サーロインステーキセット」!!
あの、寮生活なんで火使えないんですけど……。
抽選会が最高潮に達した頃、仕事の都合で遅れていた中越典子さんが到着。
う、美しい……。
この世のものとは思えない、とはまさにこういう時に用いる表現なのですね。
この世のものでしかない僕はメロメロに溶け死んでしまいました。
<完>
さて、お次は村瀬主任役の津田寛治さんのご挨拶。
何やらファンキーな服をお召しになり、いつものクールな主任とは別人のよう。
マイクを握るなり、やたらハイテンションにかまして下さいました。
「どもーっ!お荷物主任の津田でーっす!今日は思いっきり盛り上がろうぜいっ!」
何なんです、この愛すべきキャラは。
続いては浅輪直樹役のイノッチの出番。
「僕はこの仕事をやって本当に良かったと思っています。
渡瀬さんを初めキャストの皆様、スタッフの皆様、お世話になりました。
ドラマをやる度に『第二弾もやろうね』と言われるのですが、実現したためしがありません(笑)。
でも、この作品は是非、またやりたいと思っています。
僕達は自信を持って面白いものを作っています。その想いはきっと視聴者にも
届いているはずです。皆様、本当にお疲れ様でした!」
素晴らしい人だと。
こんなアツい想いを持ち続けている人と仕事が出来て本当に良かった。
その場にいた全員がそう思ったに違いありません。
最後はもちろん、我らが渡瀬さんのご挨拶と一本締め。
いつ見ても渋いお方です。
本当に今回の仕事は紆余曲折があって泣くほど苦労したんですけど、
こうして打ち上げを無事に迎え、ようやく報われたような気分でした。
場所は変わり、二次会へ。
キャストもスタッフも殆どが引き続きご参加。
小田島刑事役の中西良太さんとしばしの歓談。
「あの役は難しかったなあ」としきりに仰っていました。
ええ、ええ、そうでしょうねえ。
誰だ、ホン書いたの!
とはいえ、個人的に今回の作品で一番のお気に入り台詞はその小田島刑事の、
「……何て答えればいいんですか」
これなんです。
まさに万感の思いの篭もった言葉。
小田島のキャラが自分の中に降りてくるのを感じました。
この台詞が浮かんできた瞬間、「まだ俺はやっていけそうだな」と思ったものです。
中西さんはとっても気さくな方で、ご本人主催の舞台にも誘って下さいました。
楽しみだ。
そこへ突然、カラオケが流れ始めました。
一番手はあの金児憲史さん。
直樹の恋のライバル、パティシエの宮原礼二役。
実を言うと、一番お会いしたかった方なんです。
『アストロ球団』『男たちの大和』『弟』あれこれチェックしてまして。
若手では貴重なワイルド系。
近い将来きっと、日本を代表する役者としてその名を高からしめることでしょう。
歌声も渋いんですよ、これが。
広島出身ということで吉田拓郎の……何だっけ、タイトル失念。
「♪人がおるんヨねえ~」とかいうフレーズで有名な曲なんですけども。
続いてイノッチも参戦。
何と『シクラメンのかほり』!
懐メロ好きとは聞いていましたが、まさかそう来るとは。
で、また上手いんですよ、これが。
さすがV6で随一の歌唱力を誇るイノッチ。
こんなのタダで聴いちゃって良いんでしょうか。
今度は渡瀬さんが羽田美智子さんとデュエット。
『銀座の恋の物語』。
いいないいなー。
カラオケ狂の僕としてはじっとしていられませんでした。
渡瀬さんはその後、イノッチともデュエットを。
『酒と泪と男と女』。
まるで親子のように仲良しなんですよ。
Pによると、渡瀬さんが二次会にまでいらっしゃるのは比較的珍しいとのこと。
よほど今回のメンバーがお気に召していらっしゃるのでしょう。
そして出ました、自称・お荷物主任(笑)。
何と『木綿のハンカチーフ』。それも原曲キーで。
ヒィヒィ言いながら熱唱する津田さんの姿に温かい涙がこぼれそうに。
何なんです、この愛すべきキャラは。
もうね、告白していいですか?(笑)
キャスト陣の熱唱を受け、次々に参戦するスタッフの皆さん。
吹越満さん、田口浩正さん、イノッチがあの手この手で場を盛り上げる。
それにしてもイノッチはいつ見ても元気で明るい人です。
一番多忙であるはずなのに率先して場を盛り上げ、スタッフを労うその姿に感動すら覚えました。
『相棒』の打ち上げでも感じたのですが、この精神こそが第一線で活躍し続ける原動力なのでしょう。
零時を回り、空気もマッタリとしてきた頃を見計らい、Pに泣いて頼んで金児さんとのツーショット写真を撮ってもらいました。
持参したヘボカメラがまるで言うことを聞かず、フラッシュは光らんわピントは合わんわ、もううろたえまくり。
「ホンマすみません、もう一度お願いします」
幾度もの撮り直しにも笑顔で「いいですよ」と応じて下さる金児さん。
ようやく撮れた写真、これはもう家宝にしますわ。
ついでに、ドサクサに紛れてキャスト陣の占めるテーブルの末席を確保しました。
正面に吹越さん、右隣に田口さん。
アツく語りましたよ。二時間くらい。
ええ、もちろん、対角線上の席で談笑している中越さんをチラ見しながら。
回を追うごとにノリを増していくアドリブについて言及すると、以下の吹越さんの弁。
「俺達は別にアドリブやってるつもりはないんだよ。だってホンから逸脱したことはやってないから。
俺達が考えているのは、如何にすればこのホンがより面白くなるか、それだけなんだよ」
なるほど。
良いホンであればあるほど、理解のある監督であればあるほど燃えるんだそうです。
また、常に挑む気持ちで現場に臨んでいるとも仰いました。
分かるなあ。
僕はまだサブライターの端くれに過ぎませんが、やるからにはどこか一つでも自分らしさを篭めたいと思いますから。
今までになかったものを篭めたい。でなきゃ新しい人間が入っていく意味がない。
いつか役者さんとこんな話をしたかったんです。
はるか遠くにあったものを少しずつ手繰り寄せていくこの感覚。
もっともっと精進して、いつか対等に思いをぶつけ合えるようになりたい。
より良いものを作るために。
その時にはまたきっと、新たな地平が見えてくるのでしょう。
人生、日々漸進。
皆様、今後とも(苦笑いしつつ)お見守り下さい。