週刊少年ジャンプにて好評連載中の青春相撲漫画。
オファーを頂いてから読み始めたのだが、何なのだこの異常なまでのアツさは。何度も涙してしまった。
『ナンバカ』でご一緒したADKの方からお声掛けを頂き、参加することに。
第一話から担当しているが、シリーズ構成は総監督の宇田さんが兼任。ちょっと珍しいパターンである。

原作者の川田先生はキャラ造形も相撲に対する造詣も第一級なのだが、私が思ったのは異常なまでの構成力の高さだ。あのセリフがここに繋がるのか!といった驚きが何度もあった。一体どこから計算しているのだろう。
そういう作品なのでなるべく原作通りに、丁寧に要素を拾って描いていけば間違いなく面白くなると思った。
しかし枠は2クールと決まっている。コミック18巻分もある高校生編を全24話で描き切るとなると、一話につき原作一巻の四分の三を消化しなければならない。普通に考えて不可能である。
そう考えると宇田さんはシリーズ構成としてよくあの物量を捌いたなと思う。断腸の思いでエピソードをカットし、不自然にならないよう繋げていく。ただでさえ緻密な構成のあの原作を、である。並の脚本家なら匙を投げていることだろう。
もちろん各話ライターの我々も、矛盾が生じたりしないよう細部にまで神経を使ったつもりだ。

が、そもそもそんな苦労はしなくて済むならその方がいいに決まっている。現場にとっても視聴者にとっても。
製作委員会も色々事情はあるとは思うが、もう少しコンテンツをじっくり育てていくことを考えてはもらえないだろうか。後半は盛り返したものの、序盤であまりに端折りすぎたために原作ファンの多くは離れてしまった。人気次第では大相撲編に繋がっていたかも知れないのにもったいないなあと思う。

それでも私はこの作品が好きだ。佑真が己の過去に落とし前をつける第19話、あの名試合を担当できて本当に良かった。ドラマCDも書いていて楽しかった。

【スタッフ&キャスト】
総監督・シリーズ構成:宇田鋼之介
監督:山本靖貴
キャラクターデザイン:田中紀衣
キャスト:阿部敦、落合福嗣、熊谷健太郎、佐藤拓也、村瀬歩、寺島拓篤、小松未可子、田辺留依、武内駿輔ほか
アニメーション制作:GONZO

【担当話数】
第一番「国宝・鬼丸国綱」
第四番「ダチ高の五人目」
第七番「愚直な道化」
第十番「譲れない気持ち」
第十三番「100円玉の修業」
第十六番「国宝 is デリシャス」
第十九番「弱き心に、強き意志」
第二十二番「忘れられた国宝・鬼切安綱」