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高木彬光原作の名探偵・神津恭介シリーズ第2弾。

<呪縛の家に棲みたる者は 水に浮かびて殺されるべし……>
謎めいた脅迫状の予言通りに一人またひとり、何者かによって殺されていく。
密室殺人、過去の悲劇。
呪われた一族の因業とは?名探偵・神津恭介は事件の謎を解くことが出来るのか?

江戸川乱歩先生の明智小五郎、横溝正史先生の金田一耕助と並んで「日本の三大名探偵」と称される高木彬光先生の神津恭介を書けるとは光栄の至り。

一作目は別の方が執筆したのだが、今回私に話が回ってきたのはちょっとした縁からである。
松竹の西さんというPが私の高校の後輩で、わざわざホームページを通じて連絡をしてくれたのだった。

しかしとにかく難渋した。ホン作りに何ヶ月掛かったことか。
ただでさえ有名原作だし近藤正臣版は傑作だし、プレッシャーが半端なかった。
おまけに時代設定がかなり古い。
舞台を現代に置き換えつつ、原作の持つおどろおどろしい雰囲気も損なわないようにするのは至難の業だった。
具体的には舞台となる家を三世代分描くことで、戦後の新興宗教と現代の資産家の両方を扱うことを可能とした。

結果的に苦労した甲斐はあったと思う。
ラブリンこと片岡愛之助さんは普段は気のいい兄ちゃんなのだが、
沈着冷静、けれど少し茶目っ気もある名探偵を見事に演じている。
水野真紀さんのコメディエンヌぶりも新たな発見だった。
姜暢雄さんは『白夜行』で、寺田農さんは『釣り刑事』でご一緒した。
前田亜季さんに至っては『相棒』『女刑事みずき』に続いてなんと三度目。
今回は彼女に要注目である。

現場での想い出を一つ。
寺田農さんに目の前でムスカ大佐の「人がゴミのようだ!」「目が、目がーっ!」をやって頂いたことは人生ベスト3くらいの喜びだった(笑)。

トリック等は時代に合わせて大幅にアレンジしたが、原作の骨格と読後感は大事にしたつもりだ。
ラストでは大どんでん返しが。近年のドラマ界ではかなりの挑戦だと思う。
最後の一秒まで見逃せない緊張感ある作品になった。

2サス業界には珍しい、私とほぼ同年代の本田監督と出会えたのも大きかった。
また『リーガル・ハイ』の成河広明Pと初めて仕事をしたのだが、こんなに頭の切れる人を私は他に知らない。
こんな一流の人たちとまた一緒に仕事をしたいものだ。

【キャスト】

神津恭介 … 片岡愛之助
早乙女英美 … 水野真紀
松下研三 … 藤井隆
篠原継雄 … 宇梶剛士
菊川昇 … 姜暢雄
倉橋土岐子 … 前田亜季
杵築修 … 篠田光亮
倉橋圭市郎 … 寺田農
古沢三郎 … 里見浩太朗

【編成企画】
成河広明(フジテレビ)
清水麻利子(フジテレビ)

【プロデュース】
佐々木淳一(松竹)
足立弘平(松竹)
西麻美(松竹)

【脚本】
入江信吾

【原作】
高木彬光『呪縛の家』(光文社文庫 刊)

【監督】
本田隆一

【制作】
フジテレビ

【制作著作】
松竹株式会社