黒子のバスケ(第一期)

週刊少年ジャンプにて連載(2009~2014年)。影(黒子)と光(火神)が「キセキの世代」打倒を目指す、青春バスケ漫画。初のアニメ参加作品。全25話中7話担当。

お陰様で大ヒット!
初回オンエアからぐんぐん口コミで人気が上がっていくのを体感した。
とにかく映像のクオリティが高く、声優陣も見事にハマっていた。
相乗効果で原作も売れに売れ、ジャンプの看板作品にもなった。

シリーズ構成の高木登さんとは十年来の知り合いだ。
私が脚本・監督を務めた自主制作映画のオーディションを行った際、彼が座付作家を務めていた劇団の役者さんを起用したのがきっかけである。

当時私はアマチュアで、高木さんといえばあのフジのヤングシナリオ大賞受賞者。
雲上人である。
「うわー、『ストーカーズ・ア・ゴーゴー』の人だー……」と恐縮したのを覚えている。

以来同じ分野で仕事をすることはなかったものの彼の舞台は欠かさず観に行き、大いに刺激を受けていた。

そんな高木さんがある時電話で初めて声を掛けて下さったのがこの作品だった。彼自身ご多忙でサブライターも足りなかったそうだ。
実のところ当時はジャンプをチェックしておらず、「え、グラコロが何ですって?」などと聞き返す始末。

しかし原作を読んでみるとこれが面白いのなんの。

「あの、でも僕、アニメ未経験ですけど大丈夫なんでしょうか……」
「原作を面白いと思うその気持ちさえあれば大丈夫だよ」

怖いもの知らずとは恐ろしいもので、勢いでオリジナルの小ネタを入れたりした。

その一つが第6Q、帰国子女・火神のサーフィンネタ。
イベリコ豚サンド争奪戦のエピソードを膨らませ、火神が福田をブン投げてクラウドサーフィンをするという(笑)。
あれを見た原作の藤巻先生は腹を抱えて笑ったらしく、そのため「火神の趣味:サーフィン」が公式設定になったとか。まさか逆輸入されるとは。

また伊月のダジャレもちょくちょく増量している。
第1Q冒頭の部員勧誘シーン、「バスケットだけに助っ人募集」や「バスケ部員になってぶいんぶいん言わせよう」などは私が提案させて頂いた。
ドラマCDにおいては制作陣からお墨付きも頂き、もっと自由にやらせてもらっている。

2時間ドラマ『信濃のコロンボ』でダジャレが私の人生を救ってくれたように、芸は身を助けるとはよく言ったものである。

シリーズ構成・脚本:高木登
脚本: 根元歳三、入江信吾、谷村大四郎、平林佐和子
監督:多田俊介

一期担当話数
第3Q「勝てねェぐらいがちょうどいい」
第6Q「2つ言っておくぜ」
第9Q「勝つために」
第12Q「『勝利』ってなんですか」
第16Q「やろーか」
第20Q「なりたいじゃねーよ」
第22Q「死んでも勝つっスけど」

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